港湾

担当:小川貴裕 日建設計総合研究所 e-mail:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 

【港湾施設の維持管理の動向】

 ①大量更新時代の到来:高度成長期に急速に整備した施設の多くは、これから更新時期を迎えます。港湾施設についていえば、2000年の維持・修繕・更新費は2025年には3倍と試算されています(高橋・横田(2000年)推計モデルによる)。

②災害等への配慮:施設を良好な状態に維持・管理するためには、技術基準に適合した適切な維持管理による施設機能の発揮、安全性の確保、ライフサイクルの延伸が必要です。特に、大規模地震・津波等の災害発生時には、施設の老朽化が施設自体だけでなく、背後地まで被害を拡大させる恐れがあります。従って、地震をはじめとする災害リスクを加味した計画を策定する必要があります。

③収益性の考慮:港湾施設においては、例えば道路、橋梁において代替ルートを確保していない場合が多く、補修や災害等で通行止めとなった場合、経済活動がストップする恐れがあります。また、コンテナバースでは、補修計画が収益性に与える影響を最小限としなければなりません。従って、これからは単にLCC最小化だけでなく、リダンダンシーや収益性も考慮したアセットマネジメントを行うことが必要です。

④安全で経済的な港湾施設の整備・維持管理システムのあり方について(国土交通省港湾局交通政策審議会 答申 平成17年12月26日)国土交通省港湾局交通政策審議会において、港湾施設の整備・維持管理の今後のあるべき姿として、維持管理計画を策定する「事前対応システム」の整備が望ましい との答申が出されました。

 
 

【関連論文】

・織田澤利守,石原克治,小林潔司,近藤佳史,2004,経済的寿命を考慮した最適修繕政策,土木学会論文集,No.772/IV-65pp.169-184. 

 

・小川貴裕,小林潔司:港湾矢板群の維持補修のためのハイブリット型シミュレーションモデル,サマースクール2006,建設マネジメント勉強会,京都大学他

 

・小川貴裕:地震リスクを考慮した矢板群の維持補修シミュレーションモデル,京都大学経営管理大学院ワークショップ報告,2008書

 

【関連活動】

 

小林潔司教授 : 国土交通省港湾局 交通政策審議会 港湾分科会 安全・維持管理部会 http://www.mlit.go.jp/kowan/

 

【事例】 (小林研究室とコンサルタントにてアセットマネジメントモデルを共同開発)

大阪市/大阪港埠頭公社 港湾施設のアセットマネジメントシステム研究調査(2005)

大阪市/大阪港開発技術協会 防潮堤の維持更新計画支援システム策定(2006)

大阪市/大阪港開発技術協会 岸壁物揚場の維持更新計画支援システム策定(2007)

 

 

 

最終更新日 2013年2月22日(金曜)13:53

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